院長痛みの体験記

院長・痛みの体験記

「痛みの体験」について

水野接骨院グループ 代表 院長 小木曽 周二

「痛み」の体験と「治療家」への芽生え

  1. 「私の治療家への道」は18歳の高校3年生の時に、マット運動で首の骨を骨折し、3ヶ月間、病院のベッドで寝たきり状態になってしまったことに起因する。最初は、髪の毛一本でも触ると激しい痛みに襲われ、 「今後どういう人生になるのか」「一生涯寝たきりになるのか」強い強い恐怖と不安を覚えた。
  2. 顎(あご)に固定具を付けて3ヶ月間の牽引(けんいん)治療を受けた。多くの友人たちや親戚の見舞いに支えられた。 「健康の有り難さ」を身にしみて感じた。そして「父母への、多くの人への感謝の思い」が溢(あふ)れた。
  3. この身体が良くなったら、自分の命は、多くの方に捧げ、少しでも人の役に立つ人間になろうとその時に決意した。その思いが、「治療家」の道を選ぶ原点となった。 入院の日から、40年を経過した。そして、「心も身体も治せる治療家」になりたいという思いが「生涯の願い」になっていった。

施術者の徹しきる姿勢を学ぶ

  1. 「治療家」への道は、どのようにして開いて行くのか。20歳の時、友人がアメリカの国家資格である治療技術「カイロプラクティック」が、多くのアメリカ人に支持された技術であるという話をしてくれた。それが、専門学校「名古屋カイロプラクティック学院」で学べるという話を聞いた。「アメリカ人に支持された治療技術」という言葉に、非常に興味を持った。私は、「名古屋カイロプラクティック学院」に入学することにした。「カイロプラクティック」だけで、治療家の道を進むには自信が持てなかった。
  2. 私は、様々な治療を学んでいく中で、私の夢は、「接骨院開設」だと明確になり、柔道整復師になるべく準備を進めた。そして、平成3年「東北柔道専門学校」に入学、平成6年「柔道整復師」の免許を取得した。

「治療の実体験」と「接骨院開業」

  1. 卒業後、「接骨院開設」を将来の夢として、現実の治療者としての学びを深めたいと思い、勤務を続けた。
    • 東京の「佐藤整形外科」のスタッフ」として働き、骨折者の「整復処置」に当り、実業務で学び。整形外科的な症状の診察への立会を含め、学問的にも、直接指導と、自主勉強の教材を与えられ、相当勉強させていただいた。
    • 目標が、「接骨院開設」であったので、「柔道整復師」独自の治療技術を求めて、八柱グループに転職した。「八柱クリニック」という整形外科と「名倉整骨院」を経営していた。当初、掛け持ち勤務をしていたが、希望通り「名倉接骨院」の方への重点勤務が許された。そこで、「骨折の整復・固定」など「柔道整復師」独自の治療技術を実践的に学んでいった。
    • 次に千葉の「南柏整骨院」で分院長に募集し、「治療院運営方法」「患者さんとの実践的対話と処置」「接骨院開設の条件と準備」など学ぶ必要があった
  2. 約2年間の接骨院分院長の経験で、接骨院開設と運営方法を理解できたので、平成11年「水野接骨院」を開設した。
    数多くの患者さんを施術して行った。全てのそれぞれの患者の症状・筋肉の状態・年齢・患者の精神状態などによってその効果は一様ではなかった。
    数多くの「技術講習」に取り組み、「技術の試行錯誤」を重ねた。それぞれの技術は、その技術理論においては、万能のように思えた。
  3. しかし、全てのそれぞれの患者の症状・筋肉の状態・年齢・患者の精神状態などによってその効果は一様ではなかった。「治療技術」を高めるために学んだ新しい技術分野も広がり、学び努力の結果「患者一人一人に向き合った治療」の大切さを本当に感じた。「オーダーメイド的治療」という方向性を見出したのである。私の44歳の時の確信である。
  4. 技術を深めるということは、結局「人という大切な生命」を知るということであったのだと感じている。

痛みの影響

「痛みによる影響」の深刻さを体験として学んできました。

    • 慢性の痛みがあると、さまざまな活動が行いにくくなり、他者への依存度が高まる。同時に、将来への不安が募ってゆく。
    • 眠れなくなり、恐怖が加わり、心身ともに疲弊してしまうことがある。
    • 食欲が落ちて、低栄養になり、体力が落ちて行くことがある。
    • 痛みのために、他者との交流や外出がおっくうになることがある。その結果、孤立し、うつ病になることもある。
    • 痛みがあると、活動量が少なくなる可能性があります。活動量が低下すると、筋力や体の柔軟性が失われて、活動がますます難しくなり、転倒のリスクも高まる。

「痛み」の研究

  1. 私の実体験からも、長い間、一貫して「痛み」の治療を研究して来ました。
    痛みが繰り返し起きると、恐怖と不安が生じて、痛みを予期するようになることがあった。
    こうした感情が体を刺激すると、痛みをより強く感じる物質が作られます。
    その一例がプロスタグランジンでこの物質が作用すると、神経細胞は痛みの信号に反応しやすくなります。
  2. 痛みが繰り返し起きると、恐怖と不安は、痛みに対する神経細胞の感受性を下げる物質の産生を低下させることもあります。その一例は、体がもともと持っている痛み止め物質、エンドルフィンです。疲労も、痛みに対して恐怖や 不安と同じ影響を及ぼすことがあります。
  3. 痛みの治療:「トリガーポイント治療」の研究
    • 何故、身体が痛むのか
      身体が痛くて辛い!
      何処に行っても、原因さえ解らず治療もできないのは何故???
      それは身体の痛みが、骨格の異常や神経の圧迫によって生じるとされてきたこと自体が根本的に誤っているからです。身体の痛みのほとんどは、筋肉が起こす痛み、「筋・筋膜性疼痛症候群(トリガーポイント)」でした。
    • 筋膜性疼痛症候群(MPS)とトリガーポイント
      筋膜性疼痛症候群(MPS)、トリガーポイントとは筋肉を包んでいる膜(筋膜、骨膜)にできた硬結(しこり)により痛みが発せされる病気です。
      この「しこり」は筋肉に急激に負荷をかけてしまった時や繰り返しの動作などにより作られます。その「しこり」が弾きがねとなって、身体の様々な部位に痛みを起こすことから、トリガー(引き金)ポイントと呼ばれています。このトリガーポイントによって引き起こされる病気を筋膜性疼痛症候群(MPS)と言いますが、この病気は、採血、レントゲン等の検査でも異常が認められません。
      また、注意しなければならないことは、このトリガーポイントと痛みを感じている場所(関連痛)が離れていることがよくある点です。また、注意しなければならないことは、このトリガーポイントと痛みを感じている
      場所(関連痛)が離れていることがよくある点です。
    • 「関連痛」現象
      トリガーポイントを放置しておくと、関連痛域を緊張させることによって当該部位に新たなトリガーポイントを生じさせ、慢性痛を複雑かつ長引かせることになります。このように他の部位に痛みを発生させる現象を「関連痛」と言います。
    • 「総合骨格調整法」の確立と「筋膜リリース」などの技術を「痛みの治療」に整理統合して行きました。
  4. 深緩(しんかん)調整法への道
    • 患者の症状・筋肉の状態・年齢・患者の精神状態など、「患者一人一人に向き合った治療」の大切さを本当に感じた。「オーダーメイド的治療」という方向性を見出したのである。
    • 様々な症状に合わせた技術の整理と技術の効果的組合せ施術法を研究し「深緩(しんかん)調整法として体系化していった。
    • 治療家の道を歩んできた中で、特に、痛みの激しい「腰部脊柱管狭窄症」「変形性膝関節症」「変形性股関節症」治療に特化し、多くの治験例を得ました施術を提案していくことになったのです。

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